私の兄は病院で鼻から胃へゴム管を挿入して、そこから栄養剤を注入されておりました。食欲がなかったからです。兄はゴム管を鼻から入れられるたびに、「腹が苦しい。ゴム管を外してくれ」と哀願しつづけていました。それからまもなく、兄は腹膜破裂で病院のベッドの上で死んだのです。兄の死はほかにも原因があったでしょうが、患者がしきりに苦痛を訴えたのは、それだけの理由があったからではないでしょうか。腹膜破裂にまで追い込まれて死んだ兄が哀れでなりません。
私は自己の体験をもとに、自分の体で実験を重ね、研究してきたゼットイオン健康法に自信と誇りをもっております。そこでみなさんにも考えてほしいのです。健康の原点である胃腸を守るために腸の負担を少しでも軽くするため、時々腸内容物を排除してやることを。そして大昔から高く評価されている温泉療法というものを家庭の健康法の中に組み入れてみてください。ただし、ゼットイオン健康法はすばらしい健康法ですが、何度も申し上げているように、糖尿病が、ぜんそくが、高血圧や心身症が治るといっているのではありません。病気を克服するのは医師や薬ではなくあなた自身の努力なのです。
ただ病院へ行って注射をしてもらい、薬をもらい、点滴を受けるという、簡単で労力の要らない方法では病気は克服できるものではありません。棚からぼた餅式に天の恵みが降ってくるのではありません。もっと凄絶で、必死で、すさまじい生への執着なのだと思います。健康な人もいつまでも健康でいられるわけではありません。いつかは病に侵されます。それが人の世に生まれた宿命です。そのときには果敢に病に挑戦してほしいのです。病を知り、研究し、他人に任せるだけではなく、たとえ素人でも知ろうと努力すること、それが大切なのだと思います。
私は、病気に苦しんでいる方を1人でも多く救うことを悲願としております。それは北国の転地療養先で星と語り合ったときの約束だったのです。あなたの前途には茜色の光が待ち受けているのです。あなたの病気を治すのはあなた自身なのです。