病気というものの経過を調べてみますと、普通一般に軽症と重症の2つに分けられます。軽症に類する症状としては、「疲れる」「食欲がない」「どことなく気分がすぐれない」だとか、貧血、しびれ、肩こり、頭痛などたくさんあります。医師に訴えても栄養剤の注射を打ってもらえるくらいで、治療の決め手のない病気です。そして重症に類する病気というのは、決め手のない病気が慢性化してきた胃潰瘍、十二指腸潰瘍、ガン、糖尿病、ぜんそく、高血圧、腎臓病などであり、軽症から重症へと根元を刈り取ってやることこそ真の医療だと思うのです。
言い換えるならば、決め手のない症状は重症だということであり、第2、第3とやってくる病気の警告であるということを心すべきなのです。
現代医療はバリウム、X線、血液や排泄物の検査などで異常が確認されなければ、患者がいくら症状を訴えても取り上げてくれないケースが多いのです。「それは自律神経の失調ですよ」とか、「体質ですね」と診断されることがありますが、それは「治療法がない」ということになるのです。以上、私の意見を総括してみますと、次のようになります。
Ⅰ、人間の病気は決め手のない症状から始まり、慢性化して病気となる。
Ⅱ、軽症に類する病気は誰にでもあり、それらの病気のことを一般に自律神経失調症という。
Ⅲ、現代医学には根治療法および自律神経の治療法というものがない。
Ⅳ、薬づけ医学となったのは対症療法だけにとらわれているからである。