万に1つ、それが荒廃した医療であっても、病気に侵された人たちは医師の助けを求めるよりほかに道はありません。大病院で有名な専門医に診てもらえば治ると思っています。そして入院して全快した患者の大部分は外科患者です。私にいわせるならば、内科の患者が全快したというならばそれは入院という環境によって生活の煩わしさから解放されて、自律神経が安らぎ、自分の体が病気を克服したものであって、けっして病院の薬のおかげで全快したというのではないのです。
新薬が開発されるとき厚生省は、「5ヶ所の国立病院で各30例の効果があったという臨床報告書の添付」を義務づけています。これは一見すばらしいことのように思えますが、臨床報告の陰には多くの患者がモルモット代わりにされているといううわさも聞きます。また、その薬に効果があるということは、その患部だけに効くものであって、副作用が秘められているということを意味しはしないでしょうか。