厚生省の国民栄養調査(昭和56年度)によりますと、40代が一番太めで、男性の50%、女性の28%が肥満傾向にあるそうです。【〔身長(㎝)-100〕×0.9㎏】というのが一般的な定義になっているようですが、その標準よりも1キロ体重が増えるたびに1年寿命が縮むといわれ、体重が10%増えると心臓の負担は30%増しとなって、心臓、血管に異常をきたし、「肥満は糖尿病・高血圧経由、脳軟化症・脳動脈硬化症の特急券を持っているようなもの」というお医者さんもいるようです。
動脈硬化が脳動脈に起こってくると、いわゆる脳軟化症というボケの悲劇が始まり、心臓の冠状動脈に起こると狭心症や心筋梗塞となってくるのです。それほど肥満というのは恐ろしいもので、太らないようにみんな自己防衛にいそしんでいるわけです。
肥満というのは腎臓機能の低下が原因で尿にならない不要な水分が体内に残っているケースが案外多いものでして、いわば肥満の多くは水ぶくれなのです。また肥満は遺伝だから、とあきらめている方もおられます。確かに体形は親に似ていて腎臓機能の組織が低下しているところまで似ておりますが、あきらめるのは尚早です。腎臓の機能をたかめてやれば、親とは正反対のスマートな体形にならないまでも、均整のとれた体形にはなってくるのです。