世の中はきわめて不公平にできています。生まれながらになにひとつ不自由なく暮らせる人もいれば、そうでない人もいます。なんの罪とがもないのにです。外面的な皮膚の色の違いだけで、ともすれば差別され、体形、顔の美醜でも評価が異なってきます。そういうことはいけないことだと良識でわかっていても、現実にはやはり差別され、驕りとあきらめとがあります。
しかし女性の美への願望、執着となると話は違ってきます。女性同士というのは体形も顔の美醜も超越してまことに凄まじい戦いを展開します。自分をいかに美しくみせるかに腐心し、太った方も痩せた方も、それなりに創意工夫を凝らし、毎日お化粧をし、服を取り替え、装飾品を着けて自分を飾り立てます。「素敵なドレスね、うらやましいわ」「でもあなたは美人だからいいわね、私なんか…」と、一応口先では相手をほめそやしながら、内心では嫉妬し、熾烈な戦いを挑み合っているふしさえうかがえます。
なかには爪も髪もカラフルに染め、整形手術をし、流行の最先端をいき、さらに自分を美しくみせようと飾り立てる方もおられます。飾るというよりは、もはや盛り付けた、という観さえあって男性をタジタジとさせてくれます。自分を美しく飾るということは女性に共通した願望であり、特技なものかもしれません。たとえば好ましい男性にせまられた場合でも、女性は一応「ダメ」とか「いや」とか拒否的なしぐさと言葉をまじえます。それは相手に対して、「責任をとってくれるの?」という遠回しな問いかけであると同時に、「私はすぐ男に抱かれるような、そんなはすっぱな女じゃないのよ」という自己主張があるのではないでしょうか。つまり自分を飾ってみせるのです。そういう特技に男性よりも非常に長けています。女性特有の才能というべきでありましょう。
女性は自分を美しくみせようと飾ります。お給料をもらうと洋服を買い、目は化粧品や装飾品に向いています。女性は贅沢でお金のかかるものなのです。また、太らないために耐えしのぶこともでき、その忍耐力はとても男性の比ではありません。美容にいいといえば汗まみれの格闘を挑み、ヨーガ、ハトムギ、アロエ、高価な化粧品、体操・・・・・・とチャレンジ精神は旺盛です。