「Zイオン健康法のゼットというのはどういう意味ですか」と聞かれることがよくあります。なかには、「Zとはアルファベットの最後の文字だから“Zにつづくものはない。 これが最後の手段だ”という意味ですか?」と好意的な解釈をしてくれる方もおりました。そういわれてみれば、なるほど、私の背水の陣でこの健康法の研究をつづけ、完成させました。アルファベットを順序よく追っていくと最終的にはZにつきあたるわけで、そのZのもつイメージの明快さ、ピリオドの音律のさわやかさ、そしてアンカーとしての使命の重さというものを感じさせられます。
でも私が抱いているZのイメージはZ旗なのです。いささか話は古めかしくなりますが、日本海海戦でロシアのバルチック艦隊を迎え撃つとき、東郷元帥が旗鑑にZ旗をあげて、「皇国ノ興廃此ノ一戦ニ在リ、各員一層奪励努力セヨ」と決戦に臨み、部下の士気を鼓舞したことは歴史上有名な話です。
若いころ海軍生活を経験した私にとって、そのZ旗のイメージが強いのかもしれません。私は病気と悪戦苦闘しながら研究にいそしみ、いつも心の中にZ旗をあげていたのです。(ガンバレ、岡部薫。がんばるんだっ。おまえには、自分で自分の病気を治すしか生きていく道はないのだっ。起て、岡部、起つんだ)ともすれば挫折しそうになる自分自身の弱さを叱咤し、激励していたのです。私はまるで呪文でも唱えるように、いつも自分で自分の胸にこう語りかけていたのです。「皇国ノ興廃此ノ一戦ニ在リ」と。
皇国という文字に、健康という意味を込めて、です。そのときの苦闘の年月が懐かしさとなって、私は私の開発した健康法の名前にZという名前をつけたのです。抜けるような蒼穹の空に、へんぽんとはためくZ旗をこころに描きながら。