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「おなかのヘドロをとりなさい」

【第4章-4】ぜんそくと温泉

昭和44年5月のある晩、私は国道1号線を西に、愛車のハンドルを握っておりました。助手席には家内がまどろんでいました。山陰の例の浜坂の実家へ行った帰り、私は家内を誘って山陽道へ出たのです。私は海軍生活をしていた一時期、呉の町にいたことがあって、その町が懐かしかったのと、家内にも1度呉の町を見せてやりたかったのです。

呉の町をみてそのまま私たちはさらに西へ向かいました。どこへ行くというあてもなく、ただ西へ西へ車を走らせていたのです。助手席の家内は疲れて眠ってしまいました。でも私は眠るのが怖いのです。

当時私はぜんそくの持病で幽鬼のような形相をしていました。寒い場所から暖かい場所へ入ったり、皮膚にちょっと虫がたかっただけでぜんそくの発作が起こるのです。せきが出ると軽いときで一、二時間、重いときは一週間、十日とつづくのです。ぜんそくを患った方でないとその苦しみはわかっていただけませんが、息を吐くことはできても吸うことができず、首を絞められるような苦しさです。せきこみがつづいて気管支が破れ、吐血したこともありました。もちろん半年以上も入院をしました。転々と医者通いもしました。でも治りません。転地療養もしてみましたがダメでした。医者は、「アレルギー体質だから」といって注射をし、薬をくれるだけです。塩酸エフェドリンに代表される薬です。この薬は血管を緊張させ、血圧を上げて興奮させる薬です。その結果、薬の副作用で私の体はボロボロになってしまい、歩くこともできず、家の中をひじをついてはいまわっていた時期もありました。発作止めの注射は静脈に針の入る余地がなくなり、足にまで注射をしました。足の指の間に注射をするのです。「治してください」といっても、医者は「アレルギーだから」という言葉を繰り返すのみです。

その言葉に私は突き放された冷たさを感じるのです。アレルギーとはギリシャ語で「不可思議な現象」という意味です。不可思議な現象だから医師には治療の責任がない、ということなのでしょうか。私は昭和36年から8年間の年月をぜんそくで苦しみ抜いていたのです。眠ると発作が起き、起きると注射です。ですから眠るのが怖いのです。眠らずに私はハンドルを握りつづけ、関門海峡を通り抜け、どこへいくという目的もなく車を走らせているうちに夜が明けてしまいました。

車

夜明けの丘陵地帯に白煙が無数にのぼっているのを見て、私はそこへ車を向けました。行ってみると、そこは温泉でした。あとでわかったのですが、そこは地獄めくりの湯治場の近くでしたから別府郊外の鉄輪温泉であったのかもしれません。

私はそこの共同湯へ入ってみました。えもいえぬ爽快さでした。かつてないほどの心の安らぎをおぼえたのです。私は洗い場に寝そべり、湯をすくって体にかけながら、いつのまにか眠ってしまいました。まる一昼夜眠らずに運転してきた疲れが1度に出てきたのでしょう。せいぜい3、40分の眠りでしたが、深い深い眠りでした。

私はこのとき初めて温泉の効能にふれた思いがしました。あれほど不安を抱いていた眠りに落ちても、ぜんそくの発作は起きなかったのです。もちろん初めて温泉へ入ったわけではありません。私の生まれ育った浜坂も温泉町です。その近くにもたくさん温泉がありましたが、私はそれまで温泉がこんなにいいものだとは思っていなかったのです。

【Zイオン健康法】 岡部 薫 著
「おなかのヘドロをとりなさい」
宿便を退治して爽やかライフを!
持病の喘息に苦しみ続けた著者が、どうにかしたいと研究を繰り返し辿り着いた先とは・・・
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