一方、雨や地下水により発生したイオンは、川を経て海へ注がれます。魚介類も海草もイオンを吸収しています。昆布やワカメなどの海草は全表面からイオンを吸収し、魚介類も口から餌を取り入れているほか皮膚からもイオンを吸収しているのです。
お母さんのお腹の中にいる胎児は、お母さんから栄養分をもらって羊水の中で育ちます。胎児は羊水の中で皮膚からイオンを吸収しているのです。破水して羊水が流れ出てしまったとき、その胎児の生命は消えてしまいます。
こうして私たちは魚介類や海草、肉、野菜を食べながら体に必要なイオンを口から取り入れているわけですが、実は胎児の例をみてもおわかりのように、皮膚からもイオンを取り入れているのです。
先に述べたように、私たちは半透膜というきわめて通気性に富んだ着物(皮膚)を着ていますので、その網の目からもイオンを取り入れているのです。イオンも水も、その網の目よりも小さいので、自由に通過することができるのです。
私たちは水分といっしょに皮膚からイオンを取り入れていると同時に、また体内のイオンも外へ出ていってしまうのです。