女性の80%は便秘症だといわれるくらい便秘に悩む人が多く、便秘解消と宿便清掃についていろいろな方法が伝えられています。その例をいくつかあげてみましょう。
コンニャク・・・・・・
昔から「砂払い」といって、コンニャクを食べれば宿便がとれるといい、宿便取りの代表的な民間療法にあげられております。また腸の熱をとるという効果でも知られています。コンニャクは消化されないままに腸の中を通っていきますので、その際、腸壁にこびりついている宿便を引っかけて、体外へ排出してくれるのです。
植物繊維・海草・・・・・・
キャベツは繊維が多いので腸管に刺激を与え、宿便取りに役立っています。加えてビタミンCを多く含有し、また血液中のカルシウムイオンを高めるビタミンKのほかEなども含有しているので、女性には人気があります。ジャガイモ・サトイモもアルカリ食品で便秘解消に役立ち、サツマイモの切り口から出てくるあの白い粘液も便秘を防ぐ力を持っています。このほかダイコン、豆腐のオカラ、リンゴにも同様の効果があるといわれております。 海草類の中では特にヒジキが知られており、ヒジキとレンコンの油炒めを続けて食べれば便秘は解消する、といわれるくらいです。そのうえヒジキはアルカリ性食品でカルシウムが多く、血液の老化を防ぐので常食するようおすすめします。ワカメもまた便秘に有効なだけでなく、血圧を安定させてくれます。昆布のヨードも体内の新陳代謝を促進し、動脈硬化を予防する働きをもつことがしられています。
玄米・・・・・・
便秘解消には玄米食が一番だ、という声もききます。小麦胚芽もビタミンB1、B2を多く含み、糖質の代謝を促進してくれるので、便秘の解消に有効です。特に玄米の外皮に含まれているフィチン酸には強い排泄作用があります。この外皮は消化されないまま腸壁に付着した宿便をはがしてくれるのです。しかし一般にはなかなか玄米には手がでません。食べておいしくないからです。玄米を常食にするとなると、家族から反対の声があがりそうです。
以上、ざっと便秘に効くといういくつかの食べ物をあげてみましたが、効果はある、という程度で、決定的に宿便をとる方法は見あたりません。コンニャクにしても、玄米にしても、消化されないまま確かに腸壁の宿便を引っかけてはくれますが、それはあくまで宿便の表面のホコリをとってくれたという程度であって、20年、30年と固着した宿便というものは、そう簡単にはとれません。コンニャクは玄米では腸内の大掃除にはならない、ということです。
断食療法・・・・・・
断食なら完全だろう、という人もいるでしょう。しかし、これにはかなり強い意志が必要です。1週間から10日の断食をつづけないと体内の宿便はとれません。その間、食欲との猛烈な闘いです。断食によって腸の中を空の状態にしてやると、腸は栄養分をとろうとして収縮力を強め、それが宿便を分解し、体外へ押し出してくれるといいます。しかし、こうした自然に逆らう療法はどうなのでしょうか。断食によって赤血球は不足してきますし、断食のあとの反動で腸の働きはかえって弱まってきます。それよりも怖いのは、元の段階に食事を戻す復食の方法を誤ると死に至ることさえもあるということです。素人の断食、復食はきわめて危険を伴いますので専門家の指導監督のもとで行う必要があります。