こうして、私たちはからだの中にいろいろなイオンをもっていますが、人間のからだに必要なイオンは、水素、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、リン酸、鉄、塩素など20数種類といわれています。
イオンにはプラスイオン(アルカリ性)とマイナスイオン(酸性)があって、その比率はプラスイオンのほうがやや多くなっていますが、総体的には、ほどよくバランスがとれて同居しているそうです。
ところが、私たちが頭を使ったり運動したりしますと、それによって体内のプラスイオンが消費され、汗や尿といっしょに体外へ出ていってしまいます。そしてマイナスイオンは、体内にカスとなって残ります。体内が酸性化したこの状態を、プラスイオン不足とかマイナスイオン過多といい、これが一般に言われている“ストレスがたまる”状態に他なりません。
多忙な仕事、対人関係のトラブル、家庭の不和、失恋、借金、あるいは病気などにより神経を消耗すればするほど、私たちのからだの中のプラスイオンは不足してきます。プラスイオンが不足してくると、コントロール司令部が故障を起こして自律神経の失調となり、心身症となって問題化するわけです。
イオンが不足すると、正確無比な能力を持つ自律神経もたちまち大混乱を引き起こします。循環器や内臓器官はもちろんのこと、皮膚組織にも異常をきたし、わたしたちのもっている抵抗力(自己治癒力)まで奪ってしまいます。
このように、プラスイオンの不足による自律神経の失調というものは、おそろしいものなのです。体内のバッテリーは空になっています。それでも人間は倒れてしまうまで、自分の体力の限界以上にからだを酷使しつづけています。
東京のような大都会に住む人の90%は半健康人であると言われています。多様化する現代生活においては、ストレスはたまるいっぽうです。私たちは、単に食物連鎖によってイオンを補給するだけでは、そのストレスを解消させることはむずかしい状態にあります。したがって、皮膚からも積極的にイオンを補給してやる必要があります。私はイオン入湯を第1健康法と名付けたゆえんもここにあります。それと同時に、長年の間にたまりにたまったおなかの宿便を大掃除してみてください。胃腸からのイオン吸収が活発になって、体調はぐんぐんアップしてくるはずです。
自分はどこといって体の悪いところはない、食欲もあるし、毎朝快便があるから心配ないという人がいます。病気に苦しんでいる人から見れば、それは健康への驕りです。年齢とともに、胃腸には宿便が知らず知らすのうちにたまっているのです。おなかに宿便のない人はおりません。そして健康であるにもかかわらず、ある日、突如として病気に襲われるのもおなかの宿便が原因です。健康を保って快適な人生をすごすためにも、ぜひおなかの宿便清掃とイオン入湯を、おはじめになることを私はお奨めいたします。それが、ご自分の健康管理にもつながることなのですから。