昨今、自律神経失調という言葉がとてもよく使われるようになり、この本の中にも何度かでてきました。何となくわかる気のする病気ですが、実は医師の間でさえも、各診療科によって考え方が少しずつ食い違っているほどで、誤解、曲解も少なくありません。
宿便をとってやることで、私たちの胃腸は本来の健康なはたらきを開始します。それと同時に私たちの内臓器官も活発にはたらくようになってきます。
こうして胃腸のはたらきは、音楽的で快調なリズムを奏でることになるわけですが、ここでちょっと音楽の3原則について考えてみましょう。御存知のように、それはリズム、ハーモニー、メロディーの3つです。私たちの健康はいみじくも音楽の3原則と同じです。リズムというのは内臓器官のはたらき、ハーモニーは自律神経、そして、メロディーはイオンです。この3つの調和により、はじめて私たちのからだは健康が保たれていると言えましょう。
私たちが食べ物を口にしたときに唾液が分泌されますが、これは自分の意志ではありません。自律神経の指令によって分泌されているのです。胃腸で吸収した養分を肝臓へ送るのも自律神経のはたらきなら、肝臓でグリコーゲンにして、各器官に必要量を送り届けているのも自律神経のはたらきなのです。
人間は一生の間に、約30億回も心臓のポンプを動かしていますが、これを動かしているのも自律神経なのです。自律神経はつまり、私たちの身体の各部を、規則正しく、順序よく寸分の狂いもなく支配し動かしているのです。
私たちの生活に欠かすことができない知覚、感覚、味覚、熱さ、寒さ、痛みなどの神経組織はもちろんのこと、愛情、理性、喜怒哀楽、嫌悪などの感情にまで自律神経は影響をおよぼしています。からだの中の内臓器官、分泌する化学物質~これらをもしも人工的につくるとするならば、それらの機会を並べるだけで、地球全部の表面積が必要と言われています。
そして、仮にそれらの超精密機械工場ができあがったとしても、分泌液を各器官に輸送するタイミングとか、質や量の調整点検は、それぞれの人の自律神経以外では果たすことができないのです。その想像を絶するほど精密な人体をコントロールしているのが自律神経なのです。
この偉大なはたらきをもつ自律神経に、私たちは何をしてやればいいのでしょうか。
答えはイオンという無機養分を与えてやることです。大いなるはたらきによって、たえず疲れている自律神経にイオンをたくさん送り込むことです。車を運転する人ならおわかりでしょうが、走行中の車は、消費した電力を発電器(ダイナモ)によってすみやかに充電しているから、車の走行能力は維持されているのです。それと同じで、自律神経の能力を維持するには、
ⅰ、人体の発電器である胃腸の宿便を清掃して、発電能力をアップすること
ⅱ、神経の消費量に応じて、その日のうちに体内にイオンという養分を充電すること
この2点がとても大事なことなのです。このことをよく頭に入れて、次の自律神経失調症の方のお手紙を読んで、ご自分で回答をだしてみてください。