根源的な美容法というのはどういうことでしょうか。
たとえば、皮膚を美しくするには、そのもとの膵臓のはたらきに深い深いかかわりがあります。皮膚の皮下脂肪を守っているのは、膵臓から分泌されているステアプシンという化学物質です。ということは、膵臓のはたらきが満点であるならば、ステアプシンによって皮下組織が守られ、皮膚も美しさを保つことができるというわけです。
ところが人間は、年をとるにしたがって、膵臓も腎臓も胃腸も、徐々にはたらきが悪くなり、そこに皮膚の衰えというものがやってきます。肌荒れ、顔や手のシワもみな、自律神経の失調、つまり、イオンの不足から来ているわけです。だから、宿便の大掃除をして膵臓のはたらきをよくすれば、皮膚はまた美しく甦ります。
美しくなろうと、女性はあくなき願望を抱いていますが、化粧品はしかし、所詮うわ薬にすぎません。はっきり言って、化粧品には皮膚を美しくする能力はありません。極端な例かもしれませんが、尋常性乾癬(重症の皮膚病)の人が美しい肌にしようとしても、化粧品ではどうすることもできないでしょう。だから、そういう病的な皮膚も守れる美容法が、真の美容法であると私は思います。それともうひとつは、皮膚というものについても、人体をくるんでいる表皮だけを皮膚と考えてはならないということです。たとえば、毛細血管も含めれば、9万5千キロにもおよぶといわれる血管、これも一種の皮膚なのです。
胃腸も皮膚であり、肝臓や子宮や乳腺などを守っている粘膜も、やはり一種の皮膚なのです。そうしたもろもろの皮膚が健康で美しくなったときに、人体のほんの1%程度にすぎない、表面のいわゆる皮膚が自然に美しくなるということを銘記すべきです。
それにはやはり、おなかの宿便をとってやり、さらに多量のイオンを含む入湯療法によってイオンを充電してやれば、皮下組織に必要なステアプシンがどんどん分泌され、皮膚も安定してきます。皮膚が安定するということは、化粧品に対しても負けないだけの抵抗力をもった皮膚になるということです。