【第1章-10-3】皮脂腺の活発化で枝毛、赤毛も解消

私はＭさんにお目にかかったのは、そんなお手紙をいただいてから２ヶ月くらいたった頃だったでしょうか。円形脱毛症はさらにすすんで、まったくお気の毒としか言えない状態でした。そのとき、私は彼女に次のように説明してあげました。

頭の皮膚の毛根のずっと上の方、皮膚から０．４～０．５ミリの位置には皮脂腺という袋があります。その袋には、１ミクロンくらいの脂肪の粒子が１万個くらいはいっていて、１週間に１個くらいの割合でパチンと炸裂し、髪に栄養を送っています。

それは、自律神経の指令によってそうなるわけですが、皮脂腺から１週間に１個の割合で炸裂しなければならない微粒子が、イオンの不足によって自律神経が失調をきたすと、うまく炸裂しないことになります。

そうすると、脂肪が足らなくなるので、表皮から髪が脂肪をとろうとします。そのため、表皮はカサカサに乾いて、これがフケになります。また表皮が乾くから、地肌が毛根をがっちり抱き込むことができなくて、これが脱毛となるわけです。

ところが、おなかの宿便清掃とイオン入湯はこの脱毛に対して、効果的にはたらくことがわかりました。なぜでしょうか。イオンが自律神経のはたらきをよくして、皮脂腺の活動を活発にうながすので、毛が抜けなくなるわけです。

それと脱毛の場合、もっと効果的なのは、イオンの湯を頭からかぶることです。５０回以上、多ければ多いほど効果的です。脱毛をうながす乾いた地肌に、イオンの湯をかけてやりますと、ガサガサになった亀裂の中にイオンが侵入していきます。そうすると、皮脂腺の炸裂がまた活発化して、髪に栄養を送り込むようになります。

ですから、最初の１～２日でぬけかけた毛が落ちてしまいますと、そのあとは地肌がびしっと締まって、脱毛は驚くほど少なくなります。

私の理論は仮説にすぎないかもしれません。しかし、あれほど症状のひどかったＭさんでさえも、イオン入湯をはじめて２日目には、脱毛が急激に少なくなったことが報告されています。

私は彼女に対して、１日１０回くらい、ぬるめ（３７℃くらい）のイオン風呂にはいるようアドバイスいたしました。これは、朝から晩まで入湯しているような感じです。３０分以上はいって、頭からイオンの湯をかぶり、１時間ほど休んでまた入湯を繰り返すというふうにです。

そのあと、動物性の脂肪をぬるよう指導しました。こうして、おなかの宿便清掃を併せて行ったところ、約１年で患部に毛がまた生えそろいました。

肥満と胃腸病で、Ｚ式健康法を１年つづけられたＯＬの方から、次のような電話をいただきました。

「私は以前から、抜け毛、枝毛、赤毛がひどく、とくに枝毛については美容院に行くたびに注意されておりました。それが、最近はひどいと言われなくなったばかりでなく、今日は逆にどうやって枝毛を治したのと不思議がられました。そう言われて改めて鏡をのぞいてみます。以前のひどい赤毛も、つやがでて、心持ち黒くなっていることに気がつきました。Ｚ式健康法には髪も美しくなる作用があるのでしょうか。」

同じような質問を、ほかの方からもおうけしたことがあります。日頃、私はイオン入湯に関連して、頭からイオンの湯をかぶるようにおすすめしています。髪の毛というのは、皮脂腺のはたらき（自律神経系）によって髪の栄養が保たれています。頭からイオンの湯をかぶりますと、皮脂腺のはたらきが活発になりますから、枝毛や赤毛にも好影響を与えたものと思われます。