Oさんは32歳のOLです。最初にお見えになったのは、お母さんの付き添いでした。そのとき、お母さんが、私に誰かいいお婿さんがいたらお世話してくださいと言われました。わたしはそれを月並みな挨拶としか受けとりませんでした。なぜなら、Oさんは姿形もうるわしく、ましてOLであれば、男子社員が放っておくわけもなく、引く手あまたとみたからです。
ところが、それから数ヶ月たった頃、そのOさんから私のところへ電話がありました。お目にかかって、ぜひ相談にのっていただきたいことがあるというのです。そしてOさんがやってきました。
私は、手足に湿疹でもできたかなと思っていましたが、そうではありませんでした。口臭のことで相談に来たいというのです。つまり、天は二物を与えずで、Oさんにも人知れぬ悩みがあったというわけです。口臭があったのでは、うかうかデートもできませんし、神経こまやかな女性にとっては確かに大問題です。
次にご紹介するTさんの悩みも、深刻なものです。