ペンギン2号は大江戸線六本木駅が嫌いだ。いきなり具体的に否定から入るとかどーなの。
大江戸線六本木駅は、都心でも一番地下深くにホームがある。シャレオツな六本木にあるまじき隠れた秘境である。六本木駅の階段には、「地上からの深さ40メートル」などという、思わずここは炭鉱ですかいと突っ込みのひとつも入りそうな完全に開き直った表示まである。これはだいたい、ビル10階分くらいの高さ、いや深さ。
ということは地上に上がるまでに時間が掛かり、なおかつ、いったん間違った場所に上がってしまうと正しい場所に戻るのが極めて困難、というただでさえ面倒くさい状況の上に、困ったことにペンギン2号は病気のせいで足が不自由。
「階段が使えないシバリ」という、常時ノンストップ無理ゲー世界に生息する生物なのである。…ペンギンだからねぇ…段差に弱い。
つまり一度上がる場所を間違えると、エラい目に合う。というか、合った。
六本木ヒルズに行きたかったのにうっかり浮かれて六本木交差点方向の地下1階まで上がってしまって、しかもエレベーターが改札内にしかなくて、六本木駅構内を、出口求めて延々30分さまよい歩いたあの日のウラミツラミは決して忘れないぞ。ああこの怨念をどこに持って行けば!
都心にある、歴史ある古い駅ほどバリアフリー化が偏っている傾向にある。
具体的にどう偏っているかというと、そもそも開業当時にはまだ「バリアフリー」などという概念がなかった(ああ、昭和)ため、エレベーターやエスカレーターは後から慌てて付け足し工事されている。
ところが都会ゆえの悩み、潤沢にスペースがないためエレベーターがホームの端にしかない、とか下手するとホームの片方にしかない、とか行きたい場所の反対側にしかない、とかいう由々しき事態が、意外に日常茶飯事なのである。
まさにダンジョン。しかし宝箱はない。
これは何も、足の不自由な人ばかりの問題ではなくて、たまたま具合が悪い人、ベビーカーのそこのアナタ、大荷物を引っ張っているそこの旅人、誰しもに不都合な真実なのでありますよ。
去年あたりまで、「これでほんとにパラリンピックやるんですか…」とか密かに勝手に思っていたものだが、昨今の新型コロナの影響で、すっかりそれどころではなくなってしまった感。
それはさておき、いきなり始まってしまったダンジョンステージにいろいろと反省したペンギン2号は、駅で右往左往しないために何か手はないかと探したのです、攻略便利アイテムを。ええ、遊ぶための努力は惜しまない。
らくらくおでかけネット
http://www.ecomo-rakuraku.jp/
たとえば「出発地」「目的地」で検索すると検索結果が出るのですが、これが更に
「車いすで利用しやすい順番に切り替える」
という神ボタンで並び替え可能!おお、凄い。
さらに「駅案内図」をクリックすると、それぞれの駅の構内図が表示されて、バリアフリーのエレベーターやスロープの場所が事前に確認できるという仕組み。英語にも対応。ぜひご活用ください見知らぬ旅人よ。
足が不自由な割にはほいほいうかつに遊んで歩くペンギン2号は、これで目的地最寄り駅のエレベーターの位置を確認して、事前に対策が立てられるというわけなのです。ありがとう、文明の利器。ありがとう開発した偉い人。
他にも、スマホ用のバリアフリー検索アプリなども合わせて活用したいところ。
でもやっぱり、六本木駅は何度行っても鬼門…大江戸線でのヒルズへの行き方は未だにぼんやりと霧の彼方の謎のまま…恐るべし、都会の秘境、六本木。